夏の暑い時期は体中から発汗して喉が渇き、冬の寒い時期は乾燥して喉が渇いてしまいます。
それ以外では運動したとき、お風呂上がり、風邪をひいて熱が出たとき、あとは気づかないうちに喉が渇いていたり、渇いていると気付かない人もいます
今回は渇いた状態の体に起きるリスク、渇いてしまう原因とそして改善方法を書きました
そもそも喉が渇いたと感じるのはなぜなのか
喉が渇くというのは、身体の中の水分が通常よりも約2%失われたとき起きます。
そしてその時、脳の視床下部(ししょうかぶ)の口渇中枢(こうかつちゅうすう)が刺激され、「喉が渇いたよー」と感じるようになっています。
ちなみに約3%水分が失われると、強い喉の渇きや食欲不振に陥り、約5%水分が失われると、頭痛などの症状が引き起こされることがあります。
喉が渇くことで体に起こるリスク
乾燥と粘膜免疫について
「粘膜免疫」は目や鼻、口、腸管などの粘膜でウイルスや病原体、花粉などの異物の侵入を防ぐ役割をしてくれている大切な存在です。
ウイルスや菌などの異物が気道に侵入すると粘液で覆われた線毛が異物を捕まえ、鼻や口の外へと押し出すように活動してくれて「痰」「鼻水」という形へ排出するよう頑張ってくれます。
しかし空気が乾燥していたり、体内の水分が不足してしまうと、粘液が少なってしまい、十分に線毛が活動できず異物を排出することが出来なくなりウイルスや菌から病気に繋がってしまうリスクが出てきてしまいます。
喉が渇く原因
暑い場所や運動した後
暑いところで体を動かしたときの汗の量は、1時間に約500~600ミリリットルと言われています。
これが2時間動けば、脱水症になってもおかしくないほどの汗が出ると言われています。
脱水症になると汗が止まり、体の熱を逃がせなくなって熱中症になる危険もあります。
喉が渇いた時に水分補給ができないと、ストレスホルモンのアドレナリンやノルアドレナリンの上昇も大きくなり、この物質によって更にストレスが増えます。
乾燥
部屋の空気が乾燥すると、鼻や喉の粘膜が乾燥して防御機能が低下し、体内に空気中の細菌やウイルスが侵入しやすくなってしまいます。
しかも、湿度が低く乾燥状態だとウイルスが浮遊しやすくなってしまいます。風邪やインフルエンザなどの感染症が、冬に流行しやすいのもそのためです。
ストレスと緊張
ストレスや緊張状態になると、交感神経が優位になり唾液の分泌が抑制され、口の中がカラカラになってしまいます。このような場合はお水をたくさん飲まず、口の中を潤すようにのど飴などを舐めるようにすると良いと言われています。
加齢
年齢を重ねるごとに自律神経の働きが弱くなってしまい、唾液の分泌が抑制され喉が渇きやすくなってしまいます。
また、更年期障害が原因の場合、短時間に汗を大量にかくホットフラッシュというもので、一気に水分が不足することも十分考えられます。
そして厄介なのは、高齢の方でよくあるのが喉を書いたと気付かない方がいることです。
その場合は、特に水分補給を意識したほうがいいと言えるでしょう。
このように、加齢に伴い水分摂取がますます大切になるので、こまめに少量ずつこまめに冷たい水ではなく常温のお水を飲むようにした方が胃腸に負担がかからないでしょう。
糖尿病
糖尿病の代表的症状の1つに、喉の渇きがあげられます。
これは高血糖により体内の浸透圧が上がり、水分を十分に飲んでいても体内に吸収されず、尿として出てしまうのが原因と言われています。
女性の生理
生理になるとホルモンが活発になり、子宮の強化や乳腺を発達させるために水分を貯めようとします。
この働きにより、普段よりも喉の渇きが感じられるようになってしまいます。
つい好きな飲みものでコーヒーや甘い炭酸飲料などで乾きを抑えようと考えてしまうかもしれませんが、出来るならノンカフェインや糖分の少ない物の方が水分補給としては良いと言われています。
しかし生理の場合、そんなこと言ってらんねぇと思う時もあるのでバランスよくが良いと思います。
改善方法
自律神経の副交感神経を優位にしリラックス時間を増やす
自律神経の1つである副交感神経は主に体や心がリラックスモードになると活発化してきます。
副交感神経にするためには、生活習慣を見直し、気分転換する時間を持つ工夫が必要です。
睡眠の質を改善したり、朝日を浴びたり身体が喜ぶことを意識するよう心がけることが大切になってきます。
また日々のストレスを緩和・発散する方法を自分なりに見つけることが大切です。
加湿
乾燥を防止するには適度な湿度を保つ必要があります。
そのため室内の湿度を50~60%にすることをオススメと言われています。
1日に必要な水分量はどのくらい?

「水分は1日に2L摂りましょう」と聞いたことがある人もいるでしょう。
具体的には、1日に必要な摂取水分量は、食事による摂取量も含め、体重1Kgに対して33mlといわれています。
例えば体重60Kgの人の場合、60kg×33ml=1980ml/kgという計算式になります。
この数値については、先述した1日2Lの水分を摂るための数値です。
食事から摂れる水分も含め、1日で約2L摂りましょうと言われているのも自分の体重に対して33ml乗法しているからです。
ちなみに規則正しい食事で約800ml~1,000mlほどの水分が摂れると言われています。
一般的に、水分は摂れば摂るほど良いように思われがちですが、実際は自分の適正量にあわせて飲むことが必要です。
なぜなら、水分を過剰に摂ると『水中毒』のリスクなどがあるからです。
『水中毒』とは、身体に余分な水分を摂取することで、むくみや冷え、低ナトリウム血症や倦怠感を感じる症状です。
水分補給だったらなんでもいいの?
水分補給の時、水やお茶、スポーツドリンクなど多くの飲み物が選択肢として挙げられますが、液体だったらなんでもいいの?と思いますよね。
何を飲むのかについては、そのときの状況に合わせて、体内で失われた水分や成分を補える飲み物を選ぶことが大切と言われています。
コーヒー、お茶、紅茶、アルコールは避ける
お茶やコーヒー、紅茶などの飲み物も、利尿作用があるカフェインを含み、水分を体外に排出しやすい特徴があります。
アルコールは利尿作用がある上に、体温を上昇させて発汗を促す働きがあり、尿や汗として水分を排出しやすい飲み物です。
さらに、アルコールの分解に水分が必要になることから、アルコールは水分補給には不向きと言われています。
脱水症状を防ぐためにも、アルコール摂取時は他の水分も一緒に摂る必要があるので気をつけましょう。
絶対飲んじゃダメというわけではなく好きな飲み物として適量を飲むのは問題はありませんが、水分補給には適さない飲み物なので注意しましょう。
何を飲んだら良いの?
日常の水分補給なら水や麦茶
日常的な水分補給におすすめなのはやはりミネラルウォーターです。
水には糖分や塩分、カフェインなどが含まれていないため、成分の過剰摂取やカロリー過多を心配する必要がなく、気軽に摂取できるというメリットがあります。
また、麦茶も糖分が低くカフェインを含まないため、基本の水分補給に最適な飲み物です。
運動時はスポーツドリンク
夏の暑い日や運動などで大量に汗をかいたときは、スポーツドリンクで水分を補給すると良いでしょう。
スポーツドリンクには、水分の吸収速度をサポートする糖質と、発汗時に失われる塩分(ナトリウム)の両方が含まれているからです。
運動後に水だけを飲むと、汗とともに流れ出たナトリウムを補えないため、体内のナトリウム濃度を下げることにもつながってしまいます。
ナトリウム濃度が下がってしまうと主な症状としては吐き気、疲労感、頭痛、全身倦怠、筋けいれん、意識障害、昏睡などがあります。
ナトリウムと近い関係があるのが『腎臓』です。
腎臓は過剰なナトリウムを排泄することで血圧の調節を助ける機能を持っています。
したがって、排泄されるナトリウムの量が少なすぎると、体のナトリウム量が多くなり、血圧が上昇しやすくなります。
ちなみに、ナトリウム濃度が下がった時の数値として、血液中のナトリウム濃度が135mEq/L未満の状態のことをいいます。
そのためにも、多く汗をかいたときは、ミネラルウォーターに適度に糖分と塩分を含んだスポーツドリンクを選ぶと良いでしょう。
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